南海バス、匠町に乗り入れ。堺市LRTは?

50番バス

2009年12月26日 10:30

南海バスのホームページによりますと、来年1月6日より、
新規路線として、「堺匠町線」「住之江匠町線」が運行開始されるとのことです。
(南海バスホームページ ダイヤ改正情報)
匠町への乗り入れとともに、大阪市内(住之江公園駅)への乗り入れも注目点です。

堺市の匠町と言えばシャープの新工場。
路線バスの系統番号に「S」が付くのも、シャープを意識したと考えられます。
従業員輸送のため、朝のラッシュ時にはかなりの本数が運行されます。

さて、このエリアで見逃せないのは、堺市LRTの今後です。
堺市長選挙で、現職の候補者を下して当選した新市長は、
LRTは中止としています。
(市外住民の筆者としては、堺市の有権者は、LRT推進か中止かよりも、
泉北高速鉄道の運賃値下げに期待したのではないかと思えるのですが。)

堺東駅―堺駅の区間に関しては、現行の「堺シャトルバス」の利便性が高く、
多額の市費を投じて、シャトルバスを廃止してまでLRTを建設するほどの価値は無い
と地元の反対派は見ているように思われます。
堺駅―堺浜の区間に関しては、今回の南海バスの新規路線の実績次第ではないでしょうか。
シャープ工場が全面フル稼働されても、従業員をバスで十分運びきれるならば、
LRTは堺浜方面も中止と言うことも考えられます。
逆に、バスでは運びきれないほどの状況になったり、通勤渋滞が深刻な問題になるほどになれば、
より輸送力のあるLRT推進に方針が転換される可能性もあります。
ただ、堺駅―堺浜間だけを建設しても、東西の交通が弱い堺市のこと、
南海本線以外からは不便な路線にしかなりません。
堺浜へ建設するなら、堺駅以東も堺東駅まで建設し、
さらに堺市駅へも必要になるでしょう。

いずれにせよ、堺市LRTの今後は、シャープ堺工場と従業員輸送が鍵を握ると考えられます。
また、架線レス方式が想定されていますが、
この電力をシャープの太陽光発電でまかなえれば、
シャープにとっても堺市にとっても、きわめて有効な環境PRになります。
いかんせん路線バスでは、対外的に注目されることはまずありません。